22Mar
和ら会では、戸ヶ崎正男先生による、スタッフ向けの研修会を定期的に行っています。
これは、もちろん各スタッフの臨床家としての能力向上のためでもありますが、和ら会が運営する真和塾で講師を務めているスタッフを通して、その塾生の方々に反映するためでもあります。そしてその先には、和ら会の、ひいては鍼灸界そのものの成長・発展があるという思いで、各々が真剣に取り組んでいます。
今回は、3月10日(日)に行われたスタッフ研修会の様子をレポートします。
【日 時】 2019年3月10日(日)13:00∼16:00
【内 容】
- 伝統医学を自分の言葉で一般の人にもわかりやすく表現するための抜き打ちテスト
1)病とは何か
2)治るとは何か
3)治療とは何か
4)液体病理とは
5)細胞病理とは
6)治療をした後の症状(快適になった、疲労倦怠感が出た、痛みが強くなった、発熱した、治後3日で解消)についての理由を、伝統医学的、現代医学的に答えよ。 - 四型分類によるそれぞれのツボに対しての刺鍼手技。(実技)
卒後10年以上のスタッフに対し、着実に自分のものになっているかを吟味、評価。
一穴でどこまで変えられるか。そのツボでの適切な刺鍼による治療と体の変化のチェック。 - 「温灸をなめるな!」
温灸器を置かないで、手持ちの棒灸でツボをどこまで変化させられるか。(実技)
・患者の気質・体質・病症によって、棒灸の扱い方は変わる。その見極めが大切。
・時間の経過とともに、体のバランスが整い、ツボは動く。
・温灸器は、表虚の分布・範囲を考慮して置く。
・体表から5センチ以上離したら効果は少ない。
・手持ちの場合の、体表からの距離と、手の動かし方。目的(内部を変化させる、表虚を変化させる、気を入れるなど)によって、動かし方も変わる。
2、3ではレベルの異なるスタッフ数人でグループを作って実技を行いました。
レポーターである自分は初級者ですが、①の1)~5)については、常々、真和塾で戸ヶ崎先生が講義されている内容なので、当たらずとも遠からずの解答が、まあ書けたと思います。6)については、なんとなくわかっているだけでは、端的に言葉で伝えることが難しいことを実感し、大変良いトレーニングになりました。
2.の刺鍼手技の実技については、上級者でもまだその先があることを目の当たりにして、気が遠くなりましたが、ベテランになっても、このように手ほどきを受けられる環境が用意されていることをとてもありがたく感じました。
3.の棒灸の扱い方では、安易に温灸器を置いていては決してわからない、棒灸と体との絶妙な関係、棒灸の操作の意味など、棒灸の奥深さを改めて思い知りました。
スタッフ一人一人の技術を戸ヶ崎先生に吟味していただき、またスタッフ同士でも教え合うという濃厚で貴重な3時間となりました。