戸ヶ崎正男先生の 日本伝統鍼灸技術習得【経絡按摩・触診・望診・医療面接】日本伝統医療の思想と医療のあり方を深める会です。

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和ら会(やわらかい)

圧痛と硬結を知る指頭感覚を身につけるためのトレーニング

硬結とは、触ると分かる硬い状態の場所です。
同じ筋肉でも少しズレると弾力が変わります。
と文字で書くとこんな感じですが、私は、最初は触っても全くわかりませんでした。
「そこは骨」と何度となく言われてしまいました。

もう三十年くらい前の最初の戸ヶ崎正男先生の授業で、肩こりの人をモデルに、曲池で肩の張りが取れるかどうかという実験がありました。
「肩の固さを確認して覚えておいてください」と言われたのが衝撃でした。
筋肉の固さを、触って覚えておくことの意味が分かりませんでした。

曲池に、鍼をする前とした後でも、触って筋肉の固さの差がわかりませんでした。
もっと衝撃的なのは、同級生でその固さの変化が理解できる人が、何人もいたということでした。
「触って固さを記憶する」というのも最初は出来ません。

圧痛点について

※圧痛点の意義と、その臨床 医道の日本 500号記念特集 p389〜
芹沢勝助先生の文章より

内臓知覚反射は、内臓に機能異常があると、知覚の過敏、鈍麻が現れ、運動反射は、表在筋層に限局性の緊張や広汎な弱い筋力低下が起こる。

内臓自律系反射は、皮膚や結合組織、表在筋層の血管が収縮したり、時に拡張する。栄養反射では「やせ」、発汗反射では、汗の分泌異常、皮脂の反射では、皮膚の「ざらつき、ぎすぎすした感じ」が。立毛筋反射では、皮膚の「鳥肌」が現れる。

なぜこうした現象を重視するかというと、もともと経絡は、東洋医学的な縦型重視の発想に基づく作業仮説であって、その形態的な実在については筆者は確信を持っていない。しかし「経穴」だけを経絡からはずして観察すると、内臓体性反射のメカニズムの論拠となる脊髄性デルマトームに乗るし、内蔵自律系反射の自律神経生(交感性)デルマトームによく乗るのである。
このような視点から、筆者は、経穴を現代的に臨床応用するにあたって、「古来より規定された特定部位にはあるが、一定のひろがりがあり、内臓体性、自律系反射の諸相のうち、二〜三の現象が総合してある現れやすいところと解して活用している。

ところで、圧痛点にも、体性系と自律系の二相がある。
体性系の圧痛点とは、神経痛や筋肉痛のとき、その罹患した知覚神経の経絡上に、圧刺激を加えると特に痛みを訴える点であり、筋の圧痛点は、筋内血行の阻血、乏血現象や、筋の強い牽引による筋紡錘や腱受容器の異常機能亢進による場合等であり、罹患した筋肉に現れるのでよく理解できる。

自律系の圧痛点は、内臓の機能異常が体壁に投射して内臓知覚反射により起きる知覚異常でそのうちの過敏現象(痛み)と解することができる。

つまり圧痛点とは、「経穴現象のうち、圧刺激にたいし、誘発する知覚異常とくに痛、快を訴える部位であり、経穴の総合的な現象の1分症の著しい点状部位あると解して差し支えなかろう。
また、経穴の取穴の実際は、総合的な反射の諸相を精細に観察している場合は少なく、圧痛と、それに伴う皮下組織の陥下(柔軟な凹み)や硬結(こり、しこり等)を対象にして診ているとすれば、経穴の多くは、また圧痛点でもあるといえるかも知れない。

ともあれ、人の「痛い」「不快感のある」場所を最初に触らせていただくのが手の感覚を身につける「はじめの一歩」であると私は思う。
最初から、教えられて触って比較できる人は天才であると思います。
何十人か触って、ようやく気づいていくことが、皮膚や筋肉の柔らかさが人によってずいぶんと違うこと。
同じふうに触ると「痛い」という人から「弱いからもう少し押していいよ」という人などとても幅がある。

皮膚の固さや柔らかさ、筋肉の固さや柔らかさ。
それに対応した適圧の導き出し方。
まずは適圧が出来る(経絡按摩)ようにして異常なツボを探し(切経探穴)、適切な鍼灸の方法を導き出す(四型分類)を身に着けるための勉強会が和ら会真和塾です。

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