真和塾
開塾の主旨
日本の伝統医学は、中国伝統医学を基礎として江戸期に最も発達した医学である。
その特徴は、‟事実求是“、”親試実験“の名のもとに思弁的な事柄を排除して実践医術として発展した。
従って、実際に即し、今でも十分に生かせる内容を有している。
具体的には触診が重視され、腹診技術が発達し、五臓(内臓)重視の体幹部治療が発達したことである。
鍼灸医においては「杉山流鍼治導引稽古所』以来、按摩が必修科目であり、触診技術向上の基礎となったといえる。
また、漢方医もその基礎に按摩を修得するものが多く、腹診等の切診技術向上に大いに役立ったと言える。
漢方においては、また治療優位の隋証治療(方証相対説)が発達した。
その結果、治療技術は上がったものの、解剖学、生理学、病理学等の基礎医学の発展が停滞した。
鍼灸においても治療優位であり、触診により活きたツボを捉え、それを変える鍼灸技術が飛躍的に発展した。
これは、鍼作成技術が高度になり、より細く材質の良い鍼が作られるようになったこと、また、艾の製造技術が上がりより温度の低い艾が製造されたことも技術の発達に拍車をかけたのである(鍼灸治療道具の進歩が刺鍼、施灸技術を飛躍的に発展させる原動力になったと言えよう)。
明治に入ると、伝統医学は西洋近代医学に取って代わられ、漢方は撲滅され、鍼灸は視覚障碍者の職業としてかろうじて残った。
その結果、鍼灸の科学的研究は発展したが、鍼灸技術は西洋近代医学の考えに基づく鍼灸治療を強いられたため衰退の一途をたどった。
昭和に入ると復古思想が台頭し、伝統文化の見直しが起った。
その一つである伝統医学も見直され、漢方、鍼灸界にも多くの逸材が輩出され伝統医学復興が着々と進められた。
鍼灸においては、昭和の初期に起こった澤田流の鍼灸と昭和10年代に創始された経絡治療によって復興された。
この2つの治療システムは基本的に伝統医学の重要概念を踏襲している。
即ち、触診を重視し、体質改善を重視していた。
さらに、前者は五蔵重視の体幹治療であり、後者はバランスと標本重視の治療であり、共に伝統医学の今に残すべき大事な考え方が内包されていのである。
真和塾では、以上の考えを受け継ぎ多くの臨床家を育成し発展させることを目的に開塾する。
臨床基礎コースでは、経絡按摩コースと切経探穴コースを作り、伝統医学概説、身体部位別ツボの特徴、触(切)診技術、刺鍼、施灸技術等を教授する。
臨床直伝コースでは、伝統医学の今に生きる大事な考え方を基に作った私の伝統医学理論、臨床技術等を伝授する。
●講師:和ら会スタッフ
戸ヶ崎正男、川腰つよし、武田久未子、小貫英人、鈴木健司、寺島裕明、桜田桂子、前谷更紗、杉浦智子、
松野絵未、土屋康二 他
●会場:東京医療福祉専門学校 東京都中央区八丁堀1-11-11 ※学校への問い合わせはご遠慮ください。
4月:東京医療福祉専門学校(八丁堀)※特別講演会
2月:お休み
●真和塾では3つのコースをご用意しています。
経絡按摩コース | 切経探穴コース | 臨床直伝コース |